邦楽

あいみょんの愛を伝えたいだとかの歌詞やタイトルの意味考察

2017年にリリースされたあいみょんの「愛を伝えたいだとか」。

それまでのあいみょんのイメージが変わることになる印象的な楽曲となりました。

今回はあいみょんの「愛を伝えたいだとか」の歌詞やタイトルの意味を考察してみました。

 

あいみょんの「愛を伝えたいだとか」とは

  • 発売日:2017年5月3日
  • 作詞・作曲:あいみょん 編曲:近藤隆史・立崎優介・田中ユウスケ

 

「愛を伝えたいだとか」はあいみょんのメジャー2ndシングルです。

その前のシングル「生きていたんだよな」やインディーズデビューシングル「貴方解剖純愛歌〜死ね」があまりにも衝撃的で、それまでのあいみょんのイメージを決定づけたとも言える曲でした。

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実際はインディーズ時代のミニアルバムにも違ったイメージの曲はあったんですが、やはりシングル表題曲のイメージが強かったようです。

「愛を伝えたいだとか」はそれまでのイメージとは全く違っていて、また違った意味で印象的でした。

あいみょん自身はある程度イメージには統一性がある方がいいとも思っていたものの、周りのスタッフは全然違う意見を持っていたそうです。

イメージを良い意味で裏切りたいということで、この大胆なアレンジとなりました。

 

それまではアコースティック、フォークやバンドサウンドなどベーシックなアレンジの曲が多かったんですが、この曲はブラックテイストのファンキーなサウンドに仕上がっています。

印象的なのがクラビネットという電気式のキーボードのサウンドで、70年代前半のファンクではよく使われていました。

スライ&ザ・ファミリーストーンの「In Time」やスティーヴィー・ワンダーの「Superstition」を思わせる感じで、コアな音楽ファンもニヤリとさせられる感じです。



特にイントロはオマージュと言えそうなくらい”モロ”なアレンジです。

まさかあいみょんの曲がこんなファンクアレンジになるとは思ってもみませんでした。

「愛を伝えたいだとか」もアレンジが印象的な曲ですが「今夜このまま」でもアレンジャーとして参加している近藤隆志さんという方はこういうサウンドが得意なのかもしれません。

 

また、この曲のPVもなかなか印象的です。

“狭い部屋とそこにあるモノで楽曲を表現する”という指示が出され、ワンカメ、ワンカット、ノー編集で撮影されたそうです。

NGが出たらまた最初から最後まで撮り直しという感じだったらしく、何度撮り直したのかはわかりませんが、裏にそんなあいみょんの労力があったと思って見てみるとまた違う面白さが感じられます。

 

「爆走天使」、「レディース」とマジックで無造作にかかれたスウェットも気になって仕方がないんですが、あいみょんの印象的なジャケットも手掛けるとんだ林蘭さんによるものです。

前衛的な作風が特徴なアーティストで、正直意味は全然わからないんですが特に深い意味はないのかもしれません。

 

「愛を伝えたいだとか」のセールスや評価

オリコンでは最高週間51位を記録し、前シングルの67位を上回りました。

この頃はまだあいみょんの一般的な知名度はそれほど高くありませんでしたが、違った方向性の楽曲でまた新しいファン層を獲得したようにも感じます。

MVはYouTube上にアルバムのリリースに先駆けて2017年4月19日にアップされました。

 

2019年3月現在で3700万回再生を突破しています。

テレビ朝日系のトークバラエティ番組「シュシュ(chouchou)お気に入り」の主題歌に起用されました。

また、テラスハウスの軽井沢編「OPENING NEW DOORS」でも何度か(5話、7話、9話)挿入歌として使用されていて、そこであいみょんを知ったという方も多かったかもしれません。

先日破局が発表されてしまいましたが、番組内でカップルになった佐藤つば冴・岡本至恩の2人のシーンでよくあいみょんの曲が使われていました。

「愛を伝えたいだとか」全体のテーマ

あいみょんの楽曲では多いんですが、男性目線の曲になっています。

この曲は“いつも朝帰りする彼女を待っている男性”の気持ちが綴られています。

ほっらかしにされてしまっているわけなので情けないとも言えるんですが、あいみょんには”けなげな男性のイメージ”とのこと。

だからか小バカにしているような感じではなく、どこか憎めないちょっとかわいらしくも思えるような男性像になっています。

あいみょんの曲に男性目線の曲が多いのは”憧れ”からきていて、男性の好きな女性に対する”必死感”が好きだそうです。

男性のそういうところにかわいげを感じているんだろうな、というのが歌詞を読んでいるとわかります。

「愛を伝えたいだとか」の歌詞の意味を考察

1コーラス目 Aメロ1

健康的な朝だな

こんな時に君の”愛してる”が聞きたいや

揺れるカーテン 少し浮いた前髪も

すべて心地いいさ

いつも朝帰りする彼女がまだ帰ってきていません。

“健康的な朝”と言っているのはおそらく強がりで、実際はその逆でしょう。

彼氏は朝起きたんではなく、前の日からずっと彼女を待っていたのかもしれません。

“少し浮いた前髪”は寝ぐせを想像させますが、ゆっくり熟睡はしていなかったような様子がまた必死さを感じさせます。

そして、そんな状態なのに”心地いいさ”と言ってしまうあたりがさらに。

あいみょんの思う”男性のけなげさ”がよく表れています。

 

1コーラス目 Aメロ2

それに割れてしまった目玉焼き ついてないなあ

バランスをとっても溢れちゃうや

少し辛くて 少し酸っぱくて甘ったるかったりさ

とりあえず今日は

朝ごはんを食べようとする彼氏ですが、目玉焼きが割れてしまうというところがまた情けない感じです。

“バランスをとっても溢れちゃう”、”酸っぱくて甘かったるかったり”というのは彼女との関わり方についてのことでしょう。

愛情表現というのはただただ見せればいいわけではなく、特に男女間では駆け引きみたいなことも必要だったりします。

追われると逃げたくなる、逃げられると追いたくなる、という言葉もありますし、あまりに「好き好き」言ってしまうとうざがられてしまう場合もあります。

時には突き放して彼女の気を引く必要もありそうですが、おそらく彼氏はそういうことがうまくできないんでしょう。

だから彼女に余計舐められてしまうのかもしれません。

“今日は”という言葉はサビへ続きます。

 

1コーラス目 サビ

バラの花に願い込めてさ 馬鹿な夢で踊ろう

愛を伝えたいだとか 臭いことばっか考えて待ってても

だんだんソファに沈んでいくだけ

僕が明日良い男になるわけでもないからさ 焦らずにいるよ

今日は日が落ちる頃に会えるの?

“バラの花に願いを込めて馬鹿な夢で踊ろう”と、完全に他力本願というかお手上げ状態な様子が見えます。

彼女の気を引こうとあれこれ考えてみても結局うまくいかず、溜息と共にソファに沈んでいく彼氏がイメージできます。

もしくは考えはするものの勇気がなくて結局実行できないのかもしれません。

あまりに彼女がつれないので自分を”良い男”とも思えなくなってしまっているようです。

焦らずにただ待ってても何も変わらなさそうですが、結局何もできないところに彼氏の情けなさが現れています。

日が落ちる頃にならないと会えないというのも彼女はよっぽど彼氏を顧みず好き放題しているんでしょうね。

 

2コーラス目 Aメロ1

“完璧な男になんて惹かれない”と

君が笑ってたから悔しいや

腐るほどに話したいこと沢山あるのにな

寂しいさ

“完璧な男になんて惹かれない”と言う彼女ですが、おわかりのように彼氏はとても完璧ではありません。

とは言え「じゃあどういう男がいいのか」というとそれもまたよくわかりません。

それは本人しかわかりませんし、その時々で言うことも違うかもしれません。

「じゃあどうしたらいいの?」と思っているし、だからこそ色々話して理解したいのに彼女は帰ってこない。

彼氏の困惑している様子がイメージできます。

 

2コーラス目 Aメロ2

結局のところ君はさ どうしたいの?

まじで僕に愛される気あんの?

雫が落ちてる 窓際目の際お気に入りの花

とりあえず今日は

そして、彼氏は「結局どうしたいの?」という自問自答にも近いような気持ちになります。

かなり翻弄されまくっていてちょっとかわいそうな気もしてきますね。

何でも彼女を先に考えそうな彼氏なので”お気に入りの花”もおそらく彼女のお気に入りじゃないでしょうか。

“窓際の花を見た”という表現は答えの出ない自問を諦めて息をついた彼氏がイメージできます。

“雫が落ちてる”は彼氏の涙をイメージすることもできますし、そんな彼氏の心情も現れています。

 

2コーラス目 サビ

部屋の明かり早めに消してさ どうでもいい夢を見よう

明日は2人で過ごしたいなんて 考えていてもドアは開かないし

だんだんおセンチになるだけだ僕は

愛が何だとか言うわけでもないけど

ただ切ないと言えばキリがないくらいなんだ

もう嫌だ

疲れて自問をやめてしまった彼氏は諦めて寝ようと考えたようです。

“どうでもいい”という表現に投げやりになってしまっている感が出ていますね。

考えてもキリがなくしょうがないのに結局は考えてしまいます。

ここでさすがに”嫌だ”という言葉が出てきます。

こういう状況は昨日今日に始まったわけではなく、もうずっとそんな状態が続いているんでしょう。

 

Cメロ

ろうそく炊いて バカでかいケーキがあっても

君が食いつくわけでもないだろう

情けないずるい事ばかりを

考えてしまう今日は

バカでかいケーキとろうろくが登場しますが、おそらくこの日は彼女の誕生日。

ケーキまで用意しているのに彼女が帰ってこないなんて切なすぎます。

“情けないずるい事ばかりを考えてしまう”のはそんな日に彼女がいないからこそなんでしょう。

 

3コーラス目 サビ

バラの花もないよ

汚れてるシャツに履き慣れたジーパンで

愛を伝えたいだとか 臭いことばっか考えて待ってても

だんだんソファに沈んでいくだけ

僕が明日良い男になるわけでもないからさ 焦らずにいるよ

今日は日が落ちる頃に会えるの?

“バラの花もない”、”汚れてるシャツに履き慣れたジーパン”は内面的にも外見的にも自信がない彼氏を表現している言葉でしょうか。

自分に自信がなく、好き放題している彼女に対して何も言えない彼氏。

確かに明日突然良い男になるわけでもないんですが、焦らずにいてもその先何も変わらないような気もします。

彼女がそんな態度を取ってしまうのもわからなくもない気がしますね。

という感じでとにかく彼氏の情けなさがつらつらと綴られている曲でした。

まとめ

歌詞は大きなストーリー展開もなく、ある朝の彼氏の姿がただただ描かれています。

言葉から受けるイメージだと”情けない”としか言いようがないんですが、情けないながらも彼女のことを先に考える彼氏は”けなげ”で、あいみょんは男性のこういうところにかわいげみたいなものを感じるんでしょうね。

捉え方によってはかなり深刻なようにも思えるんですが、表現の仕方は決して重くはなくどちらかというとコミカルな印象です。

男性の気持ちが綴られてはいますが、その視点はどこか女性的で、その客観的な感じもまた絶妙です。

ギャグテイストの少女漫画を読むような気持ちで曲を聞くのがちょうどいいのかもしれません。

ここに至るまでこの後どうなっていくかというストーリーを考えるのも楽しいですね。