邦楽

あいみょんの貴方解剖純愛歌〜死ね〜の歌詞やタイトルの意味考察

2015年にリリースされたあいみょんの「貴方解剖純愛歌〜死ね〜」。

あいみょんの楽曲が初めて世に出されることになった衝撃のデビューシングルです。

今回はあいみょんの「貴方解剖純愛歌〜死ね〜」の歌詞やタイトルの意味を考察してみました。

 

あいみょんの「貴方解剖純愛歌〜死ね〜」とは

  • 発売日:2015年3月4日
  • 作詞・作曲:あいみょん 編曲:samfree

 

「貴方解剖純愛歌〜死ね〜」はインディーズで唯一リリースされたシングルです。

タワーレコード限定のワンコインシングル(500円)としてリリースされました。

メジャーデビュー以降はワーナーですが、インディーズ時代はSEKAI NO OWARIも所属している大手レーベルLastrumから作品をリリースしていました。

タイトルにも入っていますが、サビで歌われる”死ね”のフレーズがインパクト大で衝撃のデビューとなりました。

インディーズ作品というのもあったかもしれませんが、テレビやラジオではオンエアNGも多かったようで、それもまた拍車をかけたように思います。

それまでは一般受けを狙ったような言葉を選んでいたのが「素直になんでも言っちゃう曲を書いてもいいんだな」と思えることがあり、このような歌詞になったそうです。

 

気になる”死ね”ですが、サビの最初の”ねぇ?”という言葉から自然と浮かんできたとのこと。

絶対に入れようとか執念を表すような意味でもなく、たまたま語呂が合っただけと語っています。

とは言え、素直にこの曲を聞くとやっぱり”死ね”が印象的ですし、色々深読みしてしまいたくなる歌詞です。

 

実際に「精神がおかしくなった」と思われて実のおばあちゃんから心配の電話がきたそうです。

実の家族もざわつくほどですし、注目を集める意味でもこの曲をデビュー曲に選んだんでしょう。

今では「君はロックを聴かない」や「マリーゴールド」といったエバーグリーンな名曲がありますが、インディーズデビュー以降しばらくあいみょんはこの曲の尖ったイメージが強かったかもしれません。

 

「貴方解剖純愛歌〜死ね〜」のセールスや評価

インディーズでしかもタワーレコード限定なのでオリコンに入るようなセールスはありませんでした。

YouTubeにMVがアップされたのはリリースの1年ほど前の2014年7月22日。

2019年3月現在で再生回数は1400万回を超えていて、セールスに比例しない再生回数になっているのはやはりその話題性にあるのかもしれません。

MVはLINEを使って作られているんですが、それがまたリアルで想像力が掻き立てられます。

「貴方解剖純愛歌〜死ね〜」全体のテーマ

表現はかなり過激ですが、ひらたくいうと男性への強い愛情を綴った恋愛ソングです。

あいみょんいわく「好きな人のそばにいるためには、好きな人を切り刻んで自分に身に付けるしかないピュアな女の人の切ない曲」とのこと。

ということは、好きな相手は自分の側にいてくれないということで、片想いをしている女性のイメージです。

付き合っていたとしても物足りなさを感じることはあると思うので、片想いでなくても状況によってはハマりそうです。

 

“メンヘラ曲”と言われることもありますが、あくまで比喩的な表現で女性の根っこにある気持ちがストレートに描かれています。

これはあいみょん自身の気持ちを書いたわけではなく、女性の根っこを代弁したつもりと語っています。

表現は過激ですが、歌詞はある意味ストレートでわかりやすく文字のままといった感じなんですが考察していきます。

「貴方解剖純愛歌〜死ね〜」の歌詞の意味を考察

1コーラス目 Aメロ

あなたの両腕を切り落として

私の腰に巻きつければ

あなたはもう二度とほかの女を抱けないわ

あなたの両目をくりぬいて

私のポッケに入れたなら

あなたの最後の記憶は私であるはずよね

“両腕を切り落として”と、曲の頭から猟奇的なフレーズが飛び出してきます。

腕を切り落として自分の腰に巻き付けることで、自分以外の女性を抱けないようにするというのです。

しかも両目までくりぬいてしまいます。

こういうフレーズがタイトルにある”解剖”たる所以です。

目をくりぬいてしまったら視力を失ってしまうので、映像として最後に見たのはこの女性ということになります。

そのためだけに目をくりぬくとは相当です。

“記憶”とあるので、もしかしたらその時点で死んでしまうのかもしれません。

解説すればするほど歌詞のイメージがリアルになっていくのでちょっと怖いです。

ここでイメージできる男性像ですが、他の女を抱く心配をしてしまうというのは、相手は結構モテる男性なんでしょう。

モテる男性だからこそ心配したり不安になったり嫉妬したりするんでしょう。

でも女性ってそれでもやっぱりモテる男性が好きですよね。

 

1コーラス目 Bメロ

逃がさないよ

離さないよ

私だけのあなたになるの

今すぐ部屋においで

“逃がさないよ 離さないよ 私だけのあなたになるの”

これもなんとも怖い言葉です。

しかも自分の部屋でそんな行為に及ぼうというのです。

普通に言われたらかわいい言葉にも聞こえそうなんですが、Aメロを踏まえたうえでのこの言葉は相当怖いです。

Bメロの歌詞だけ見れば特に過激な言葉でもないので、前後の歌詞で全く違ったイメージになりますね。

 

1コーラス目 サビ

ねぇ?

どうしてそばに来てくれないの

死ね。

私を好きじゃないのならば

そばに来てくれないし、好きじゃないなら死んでしまえとは、好きなのか嫌いなのかよくわからない感じです。

でもあまりにも好きすぎると、好きと嫌いが入り混じったような感情が生まれることって確かにあって、ある意味そんな感情が絶妙に表現されている言葉かもしれません。

普通の精神状態ではまずありえませんが、実際に世界ではそういった事件が起こったりしていますし、映画や小説の題材にされることも多いです。

エンターテイメント・芸術作品としてはやっぱり極端な方が面白いですし、音楽作品としても面白いということですね。

 

2コーラス目 Aメロ

あなたの心臓をえぐりとって

私のネックレスにしたなら

私が眠るその時まで

あなたを感じられる

腕や目ではあきたらず、心臓までえぐりとってしまいます。

しかもそれをネックレスにしてしまうというサイコっぷり。

でもこれも実際の事件であったりすることだったりします。

自分のものにならないからと殺してしまい、相手の一部を身に着けることで自分のものにしたという満足感を得ているわけです。

そして、心臓というのは人の体の中でも命や感情を象徴するような部分なので、相手の心を手に入れたという感覚なんでしょう。

表現が過激すぎますが、相手の心を手に入れたいという強い心情が現れています。

 

2コーラス目 Bメロ

どこに行くの

行かせないよ

私だけが隣にいたいの

いいから部屋においで

Bメロは1コーラス目と同じような内容で、やはりここだけは猟奇的な言葉が出てきません。

過激な言葉のオンパレードだとさすがに全体として重々しくなってしまうので、ここでそうでない言葉を入れることで逆のアクセントになっています。

あいみょんといえばこの頃から今も変わらず歌詞が高く評価されていますが、こういうところをしっかり押さえてあるのがさすがです。

ただただ思いついたことを書き連ねているわけではなく、作品として書かれているので完成度が高いんだと思います。

 

2コーラス目 サビ

ねぇ?

どうして私から逃げ出すの

死ね。

あなたを愛しているのに

1コーラス目のサビとほぼ同じ内容で”どうしてそばに来てくれないの”が”どうして私から逃げ出すの”になっています。

逃げ出すということは一度近くまで来た(連れてきた?)ということで、ストーリーの進行が感じられます。

ということは部屋まで相手を連れてきたのかもしれません。

なのに逃げ出されてしまうとは、よっぽど好かれていないんでしょう。

その女性の心境を思うとなんとも切ない感じで惨めとも言えます。

あいみょんは”惨めな女性”が出てくる小説が好きだそうですが、そんな嗜好も曲に表れているのかもしれません。

そして、こんなストーリーだからこそ最後の”あなたを愛しているのに”という言葉が余計に響きます。

余計に怖くもありますし、余計に悲しくもあります。

結局は”愛している”に尽きるんです。

 

3コーラス目 Bメロ

誰にもあげない

触れさせやしない

あなたがもしも他の人と手を繋いでるのを見たら

指を喰いちぎるわ

足を引き裂き、歩かせやしない

唇を縫い、私だけのキスを

味わえばいいの

Bメロが倍の長さでCメロ的なイメージになっています。

ここで再び猟奇的なフレーズが登場します。

指を食いちぎり、足を引き裂き、唇も縫ってしまいます。

“解剖”のストーリーもいよいよオーラスといった感じです。

とは言っても実際に行為に及んでいるというよりは”妄想”なんだと思います。

好きすぎるがゆえに思わずそんなことを考えてしまう、惨めで悲しい女性なんです。

 

3コーラス目 サビ

ねぇ?

私はどこかおかしいですか

好きすぎて

あなたが欲しすぎて

ねぇ?

どうしてそばに来てくれないの

死ね。

私を好きじゃないのならば

“私はどこかおかしいですか”がとても印象的です。

あきらかにおかしいに決まってるんですが、本人はそう思っていないというところに盲目的な愛情を思わせます。

すべては”好きすぎて あなたが欲しすぎて”という感情から生まれるものなんです。

表現は極端すぎますが”女性の根っこ”にはあったりするもので、その感情が過激に見事に表現されている楽曲です。

男性だってそんな感情を持つ人はいるでしょうし。

作った本人の意向を知らないと確かに”メンヘラ曲”と言われるのもおかしくありませんが、あくまで過激な比喩といった感じです。

まとめ

細かく歌詞を見ていくと改めて「貴方解剖純愛歌〜死ね〜」というタイトルの付け方が見事に思えます。

「死ね」と貴方を解剖してしまうんですが、それはあくまで純愛の気持ちからくるもので、タイトルだけでも色々想像できますね。

猟奇的な歌詞がポップなメロディと軽快なバンドサウンドに乗る感じもまた絶妙です。

この歌詞でメロディやサウンドが悲し気だったらガチになってしまいますが、こういうアレンジになっているのである意味”シャレ”とも言えそうです。

エンターテイメント作品としてもかなり完成度が高く、思い詰めて曲を聴くよりもマンガを見るような感じでポジティブに楽しむのがふさわしいのかもしれません。